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機械設計講座:機械設計者のための覚え書き
プッシュスイッチのオン・オフ機構
0. 概要
・プッシュスイッチのメカ解説
・機構を決める考え方は他にも応用可能
1.0 解説
今回はとある掲示板で話題になったプッシュスイッチのオン・オフ機構を取り上げます。
1回押すとオン、もう一度押すとオフ、と繰り返すタイプのプッシュスイッチです。
しかし、いきなり「こういう構造です」を示しても、「ああ、なるほどね」で終わってしまいそうです。
それでは、機械設計講座の意味がありませんから、どうやって考えていくかを説明することにしましょう。
まず、どのような動作が必要かを考えてみます。
1回押すと凹み、その状態を保持することが必要でしょう。(この時スイッチはオン)
次にもう一度押すと、その状態を解除し、元の位置に復帰することが求められます。(この時当然ながらスイッチはオフ)
すなわち、同じ押すという動作で2つの状態を作らないといけないわけです。(図1)
2つの状態をどうするか?
どうしたらよいでしょうか?
色々な考え方があるでしょうが、
条件1.オンするときと、オフするときは違う経路を通るようにすればよい
条件2.しかもその経路は一方通行で非可逆でなければいけない(後戻りするようでは状態が一意的に決まらない)

に考えが及べば方針が決まったことになりそうです。
では、具体的に構造を考えてみましょう。
何か凸な部品(ピン)が溝(溝カム)を摺動するような構造が一般的でしょうか。
それならば図2の様な溝カムとピンなら条件の1はクリアしそうです。
概略はこれならいけるか?
でもこれでは条件2がまだクリアしていません。
”非可逆”、この条件はどうしたら実現できるでしょうか?
例えば(最近は見かけませんが)、ねずみ取りは入る方向には抵抗がありませんが、一度入ってしまうと後戻りしようにも入り口が狭まってしまって戻ることが出来ませんね。
これと同じ事が何らかの方法で実現できれば良いわけです。
ここで、物体は高いところから低いところへは動きやすい事に気づいて欲しいところです。
つまり、高低差があれば絶えず低いところに行こうとしますから非可逆運動が実現出来そうです。
では、図2に高低差をつけて図3のような溝を考えてみましょう。
カム機構図の実際
まず、1回目の押しでは溝カムが、左よりは一段低いので、右方向へ移動することにより、Aの斜面をピンが滑っていき段差Bに落ちます。
ここで押しの動作を止めると、バネの戻り力で溝カムは左方向に移動しますから、ピンはBからCに落ちます。
ここでは溝の谷で動作が止まります。(つまり凹んだ状態)
次に2回目の押しでは、ピンが落ちていますから溝カムに沿って左方向に移動します。そして、ピンは段差の関係でCからDへ落ちます。
ここで押しの動作を止めるとDの斜面をピンが滑っていき、最終的にAに落ちて止まります。(つまり凸の状態=元の状態に復帰)
簡単ながら確実に切り替わっていきます。

さて、同じ様な機構にボールペンがありますね。
ボールペンは上記のような構造はしていません。しかし上で説明したことを別の機構で実現したに過ぎません。
2つの経路、非可逆、この2つのキーワードを元に眺めてみれば驚くほどよく似ている(と私は思う)はずです。
さあ、身近なボールペンを分解して良く観察してみて下さい。

で、その構造が理解できたらこれを何かに利用できないか?と考えていくと何かを設計する際に他人より一寸違ったものを思いつけるようになると思います。
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(16 Sept. 1999)
(10 May 2004 加筆)

[参考文献]:  社刊「   」(    著)
copyright(c) 2011-  orbit limited.

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