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機械設計講座:機械設計者のための覚え書き
ねじの推力、効率、トルク計算
0. 概要

 ねじの推力を計算するというのは、簡単ながら意外とその理屈が分からない人が多いのではないでしょうか?
しかし、理屈は簡単なので順を追って考えれば簡単な事が理解できます。

以下、簡単に説明をします。公式を覚えるのではなく、理屈を理解すれば応用もききますからね。

●角ねじ、台形ねじ、三角ねじのトルクと推力の関係を計算で求めます。

●基本は三角関数と力の釣り合いで求まります。

★角ねじの場合:T:トルク、Q:推力とすると次の関係式になります。

  ・・・・・・・・・・・(1)

    ここで、

    p:ピッチ、D:ねじ有効径、α:リード角、μ:摩擦係数、θ:摩擦角

    とします。

    αとθは下記式で求められます。

        ・・・・・・・・・(2)

        ・・・・・・・・・・・(3)

★台形ねじ、三角ねじの場合:ねじ頂角を2×βとすると、

        ・・・・・・・・(4)

        として、(1)式中のθと置き換えることにより求まります。

1.0 解説

[角ねじの場合]

図1を見て下さい。ねじの斜面に物体が乗っている状態です。
ねじれていると分かりにくいので展開した状態が図2です。
ここで、

  D:ねじの有効径、p:ねじのピッチ、α:ねじのリード角

とします。 荷重(推力)Qと水平方向の力Pが斜面で釣り合っている状態です。

更に、斜面上の反力(作用反作用の法則を思い出して下さい)をベクトルの釣り合いとして表したのが図3です。

この図より、


という関係になるのはお分かりですよね。(WはPとQの合力です。)

さて次に、実際はこの斜面に摩擦力が働きますから、その考慮が必要です。

摩擦係数をμ、摩擦角をθとすると、



と表せます。
摩擦角とは、この角度θだけ傾けても滑り出さない最大値と考えて下さい

すると、その摩擦角の分だけ足せば力の釣り合いが成り立つ訳ですから、図4の様になります。

結局、



と表せます。これがねじの推力です。

ここで、(モーメントの腕の長さ=D/2だから)



ですから、代入して



となります。

  ☆参考までに、教科書によっては三角関数の加法定理
  
  を使って、
  
  と変形し、
  
  であることを利用して、
  ・・・・・・・・・・・・(1')
  と説明しているかも知れません。
  しかし、電卓やパソコンで計算が簡単に出来るのですから(1)程度の式で十分です。
  ここまで変形する必要もないですよね?




では、次にねじの効率はどの様にして求めればよいでしょうか?
効率 η とは、「変換された後の仕事と変換される前の仕事の比」で求まります。
ですから、
・・・・・・・・(5)

となります。式の最後は

の関係を使っています。
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[台形ねじ・三角ねじの場合]
角ねじの場合は斜面が水平でしたから、計算は簡単でした。
では台形ねじや三角ねじの様に頂角が30°や60°の場合はどうしたらよいでしょうか?
図5を見ると角ねじの場合の推力Q1がQ1’に減っています。
その関係は、




です。逆に言うと角ねじの場合の摩擦角θをθ'に置き換えるとその関係は、

・・・・・・・・・・・・・(4)

となるはずです。(摩擦角の定義より)
結局、このθ'を角ねじの式(1)のθと置き換えることにより容易に計算できます。


[例題]
図: 例題
呼び径 40mm の 30°台形ねじ(P=6mm、有効径d2=37mm)を用いたネジジャッキがある。 このジャッキで荷重 W=4900N(500kgf) を持ち上げる場合、

(1)リード角α

(2)持ち上げるためのトルクT

(3)ジャッキを回すための棒の長さlを 400mm としたとき、棒の端に加えるべき力F

(4)このネジの効率η

(5)この荷重を1分間に 300mm 持ち上げる時に必要な動力L

を求めたい。(ただしネジの摩擦係数はμ=0.15)

[解答]

台形ねじなので摩擦角は(4)式より


(1)リード角: (2)式より
なので

(2) トルクT: (1)式を変形して、


(3) 力F:
 

(4) 式(5)より効率

(5) 動力


2012/11/01:追記
上記の(5)動力の計算がわかりにくいとのご指摘がありましたので補足です。
まず、誤記の訂正です。

L=P×v であると書いていますが、入力側の動力を計算するのですから、正しくは、

L=P×v/η  ------------------------------(6)

です。更に の説明無しに突然計算式だけ提示していましたが、

 はねじ軸方向の移動速度[m/sec]です。

それでは順番に計算していきましょう。

ねじ軸方向の速度は(周速で無い事に注意して下さい)

v=300/(60*1000)=0.005 [m/sec]
注:蛇足ですが、ここで60で割っているのは秒に換算するため、1,000で割っているのはミリをメートルに直すためです。
軸方向荷重Pは問題の条件より
4900 (N)

効率等を考えなければ(つまり出力側だけの動力)

L=P×v=4900×0.005=24.5 [W]

ねじ効率ηが0.247と求まっていますので
入力側の必要動力は、式(6)より

L=P×v/η=24.5/0.247=99 [W]

つまり 0.099[kw]
となります。
この説明の方が分かり易いかと思います。


*上記の内容について問い合わせが多かったので、 簡単な計算プログラム
を作成しました。(LZHファイルですので、そのまま保存して解凍してから使用して下さい)

neji_ver02.lzh:例題にあるような数値が計算結果として表示されます。
  
   参考図.ねじジャッキの計算プログラム画面

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(28 July . 2006)初出
(01 November .2012)注釈追加
(21 November .2012)記事追加


参考
文献
   社刊 「   」    (著)
   社刊  「   」    (著)
   社刊  「   」    (著)
copyright(c) 2011-  orbit limited.

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