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1.機械、器具(機械を設計するということ)
・機械とは?・・・ 自然のエネルギーを欲する仕事に変換する仕組み
・機械を設計するとは?・・・ 欲する仕事を明確にし、実現する仕組みを形にすること

 学生時代、機構学での一番最初の試験の問題を今でも覚えています。

「機械と器具の違いについて述べよ」

これが問題です。他に何も説明がありません。
さあ、皆さんなら、なんと答えますか?
正解は(異論はあろうと思いますが)、

「機械とは、抵抗力のある物体の組み合わせであって、その各部はある限定された相対運動を行い、これによって自然のエネルギーを我々の欲する仕事に変ずるも の、と定義される。
すなわち、機械は物体の組み合わせであり、各部の間には相対運動があり、かつ、その運動は拘束された運動であって、しかもある仕事をするものでなければなら ない。
従って、物体の組み合わせであっても相互の間に運動のない場合は機械とは呼ばない。それは構造物である。
また、相互の間の運動が何らの制限も受けず自由勝手である場合は機械としての 働きを期待し得ない。
これに対し、時計、メーター、測長機などの測定器類は一見機械に類似し精密機械と言われることがあるが、これらのものはある仕事をさせる目的ではなく、単 に人間の感覚の補助として用いられる場合には機械ではなく器具と呼ばれる。」

(オーム社刊:大学課程機構学、稲田重雄、森田均共著より引用)

です。
どうですか?答えられましたか?
まあ、この機械と器具の違いなんて問題は、その出題当時から大いに疑問をもってはいましたが、今ここでその違いをあれこれ議論することには意味がありません。
要は、”欲する仕事に変換するもの”が機械と考えれば、機械を設計するとはどう言うことかが見えてくると思いますので、あえて書いてみました。
器具でも、感覚を補助するだけとは言え、その為には変位量を拡大する仕事をしてる訳です。
その意味では器具であり、機械だとも言えます。

機械設計と一口に言ってもかなり幅の広いことを手がけますので、学校では通り一遍のことしか教えられません。
そのため、木を見せてはいるけれど、森なり山なりは見せていないのではないでしょうか?
まず「我々の欲する仕事に変ずるにはどうしたらよいか?」があって、それでは構造は?、必要な強度は?材料は?となって行かなければいけないのであって、いきなり軸の強度とかから設計しませんよね。
そもそも欲する仕事そのものを見つけるのが設計だと私などは思います
(”欲する”が仕様ではなく個人的な趣味に置き換わってたりすることは、ままあります。 (コーヒーブレーク参照)
逆に、何がしたいかが明確でないと設計という事はなかなか教えにくいものです。
企業での技術者教育が比較的スムーズなのも、目的がはっきりしてるからではないでしょうか?(学校の授業がつまらないのは目的が見えないからだと思います。)

私がソフトウエア関係の会社に在籍したとき、 SEの仕事のフェーズ表(注1) というのを見せてもらったことがあります。
その中の「フェーズの0」が設計の大事な所だろうと思います。
設計のセンスがいいというのはある意味で構想力、企画力があることと言っても良いように思います。
スカンクワークス(注2) などはその具体例だと思います。

次回からは、実際の設計の流れを設計のフェーズ表に沿って見ていきます。



<コーヒーブレーク>
昔話ですが、セラミック基板にスリットが入ってる抵抗体を分割する機械を、同僚が設計した事がありました。(同僚も私も、まだ若い頃です)
パーツフィーダーから供給される基板には裏表があり、それを検知し裏表を反転させながら揃えて分割機に供給するものでした。
その時、パーツフィーダーからは簡単なロボットアームで一個一個掴んで供給していました。
そのアームの設計はとても良くできていて、感心しながら見ていました。
ところが、ある人が「このアームは何故必要なのか?」と質問しました。
言われて見ればその通り、裏表の整列後はそのままパーツフイーダーから直に分割機に供給すればいいだけですから。
特に、距離とかの問題も無さそうです。
で、同僚に聞いてみました。なんでこういう設計したのか?と。
そうすると、「ロボットアームを一寸設計してみたかった」と彼は言ったのです(笑)。
このあたりが”欲する”が”個人的な趣味”に置き換わった典型例ですね。

彼はとてもセンスのいい設計をするのですが、茶目っ気があって取扱説明書などにも、「無闇にボタンを押すと、機械が病気になります」なんて書いてたくらいなので、やりかねないなと思いましたね。
社内用の機械なので許されてましたが。当時はかなり大らかでした。

え〜っと、何が書きたかったのでしたか?
そうだ、「機械を設計するときはその機械に要求される仕事の本質を見極めてから設計せよ」ということでした。
設備の自動化も手作業をそのまま機械に置き換えるのではなく、機械化し易い作業に変換してから設計に取りかかるべきでしょう。
<戻る>

注1.SEのフェーズ表
プログラム開発は下記のフェーズ表に沿って開発される
SEは各フェーズを管理監督し業務の円滑な進行に努めなければならない。

フェーズ0:要件定義
新システムに含めるべき要件を調査し、適用業務の要件を定義する。この結果としてシステム要件書を文書化する。

フェーズ1:外部設計(基本設計)
システム要件書をもとに、新システムの入出力方式や処理方式などを定義する。

フェーズ2:内部設計(詳細設計)
外部設計を実現するためにシステムの内部構造とその仕様を明確にする。また、プログラム開発実施以降の各テストのスケジュールを立案する。

フェーズ3:プログラム開発〜単体テスト
内部設計をもとにモジュール(またはプログラム)単位に仕様を明確にし、プログラミング単体テストを実施し、仕様を実現する。

フェーズ4:システムテスト(総合テスト〜システムテスト)
新システムの総合的なテストを行い、システム要件書通りに機能し稼働することを証明し、承認を得る。

フェーズ5:本番移行
外部設計(場合により内部設計〜)における新システムの移行計画、運用手順などをもとに実施する。
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注2.スカンクワークス
ロッキード社先端開発計画の愛称。
スカンクワークスは、その自由な発想と最新技術への朝鮮により常に航空界をリードしてきたと言われている。
詳細は、講談社刊、「ステルス戦闘機・スカンクワークスの秘密」、ベン・R・リッチ著、増田興司訳を参照のこと。
<戻る> (14 April 2004 作成)
(13 July 2005 加筆訂正)


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