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3.実際の設計の流れ:[フェーズ1〜5:構想設計〜本番移行]
・全体構想設計・・・ 概略の全体構造、ユニットへの分割及びレイアウトを検討し て決め、仕様の矛盾点を洗い出す
・ユニット設計(構想設計)・・・ イメージをスケッチ等で書いて検討し、ユニットの内部構造 とその寸法を明確にする
・作図・・・ 構想設計を元に計画図(設計図)、部品図、検図と進める
・試作・レビュー・・・ 仕様書通りに機能し、稼働する事を検証し、承認を得る
・本番移行・量産・・・ 稼働時の不具合などを見つけ、原因の究明と対策を立案実行 する

フェーズ1:全体構想設計

フェーズ0とフェーズ1とは厳密に分けることが難しいのですが(とくに設計側の 仕様書は構想が決まらないと決められないのです)大体の感じを書いてみます。
フェーズを分けることにはあまり意味がありません。流れを分けるとこんな感じになりますよ、という感じで見て下さい。

”設計の仕様書”をもとに、概略の全体構造、ユニットへの分割及びレイアウトをフェーズ0より細かいレベルまで検討して決め、仕様の矛盾点を洗い出します。
機械のイメージをフリーハンド等で書いてみます。
これは、見積書に添付する意味もありますが、技術的な矛盾点の洗い出しにも役立ちます。
とにかくいろんなアイディアを、書き出してみます。
思いついたことは何でも「技術ノート」に書き留めておきます。
メモ用紙やコピーの裏紙などは紛失する事が多いのと、前後関係が分からなくなることありますので止めた方がよいでしょう。
別の機種の設計時点で技術ノートを見返すと、思わぬヒントになることもありますから、貴重な財産になると思います。

自動機等では最終的なワークの流し方も決めておきます。
もうすでに流用可能な標準ユニットが揃っている会社では、なるべく標準ユニットの再利用を考えます。
その際作り替える部分は「赤ペンキのルール」に従います。
これは、ワークを赤ペンキと見立てて、このペンキに触る部分は改変の必要がある部分だとするルールです。(逆にそれ以外は標準を使用する) 例えば、ハンド、ワーク押さえジグ、パレット、レールなどです。

この時必要なら概略の動力・強度・時間などの計算もしておきます。(フェーズ0よりは詳細な計算)
エアーシリンダーで良いと思っていても、結局カム駆動などに変更しないとタクトタイムが収まらない事が分かったりします。
この時点では概略の外形寸法が決まってきますが、デザイン重視の民生製品では内部メカの方を再度考え直す必要が出てきたりします。
購入部品を使用するなら、必要なカタログの収集、寸法等の確認をしておきます。

また実現の可否で心配な所が分かってきますから、予備実験をしたりして不安要素をつぶしておきます。
最終的には、「この方法で進める」という案が一つに絞られなければいけません。

一品ものの装置は多少、組み付け性が悪くてもなんとか組み付けられますが、量産物は組み付け性の評価をしておかないと量産時の作業性が悪く、コストアップの要因になります。
その他、メンテナンスのし易さなども考えておきましょう。

とにかく、考えることは「技術ノート」上で行います。
ただし、打ち合わせ議事録などは別のノートに分けておきます。
表計算ソフトを使う人もいますが、私は直ぐに書き込みが出来てどこでも見られるので紙のノートを使っています。

フェーズ2:ユニット設計(構想設計)

構想設計を実現するために、ユニットの内部構造とその寸法を明確にします。
イメージをスケッチ等で書いてみて検討します。
標準材料の寸法等は考慮しておきたいものです。
この時点では購入部品が使えなくなったり、変更になったりしますのでその仕様を決めます。
電気と機械の切り分けを決めます。
電気屋さんとか、制御屋さんとの打ち合わせが必要になりますので、その装置のタイムチャートとかはまとめておきます。
また、スイッチの数、弁の数、モーターの種類、センサーの種類などは漏れなくリストにして渡します。
部品図にばらすときスイッチの取付を忘れたりしない様にチェックリストとしても使えます。(同様にバルブ類の取付もです。計画図の段階では確実に記入 しておきたいものです。)
タイムチャートの書き方は、会社や人により違いますが、いつか別の書き込みで説明したいと思います。

このフェーズでは、後に標準ユニットとして再利用出来るように考慮しておくことが必要です。
完成すればそれが標準ユニットの仲間入りとなります。

最終的には概略の寸法入りの構想図が出来ていなければいけません。

フェーズ3:作図

上記の構想設計を元に計画図(設計図)、部品図、検図と進めます。
もちろん、この段階で問題が発生する事もありますが、構想設計が入念に行われ ていれば問題の解決は容易(なはず)です。

CAD図面での計画図は、寸法に誤りは無いのですが、それでも部品図を書く段に なって寸法を誤ることがあります。
計画図には主要な寸法は記入しておき、後のチェックに役立てると良いでしょう。
例えばベアリングの型番の後ろに内径、外径、幅など記入しておくと検図の際に便利です。
組図に付ける風船の番号は、購入品と加工品、ねじ部品とで桁を分けておくのが良いと思います。
加工品は1〜99、購入品は101〜199、ねじ部品は200〜209などの様にです。

検図は、部品図を書いた日とは別の日に行う事を薦めます。思いこみは検図の精度を落とします。

部品加工のし易さなど、加工現場の声を聞いておくことも必要です。
また、加工先にも「仕事の枠」を確保してもらっておけば生産遅れなどのトラブルも回避できます。

フェーズ4:試作・レビュー

部品加工、組立をして新製品の総合的なテストを行い、仕様書通りに機能し、稼働する事を検証し、承認を得ます。
ここでは、「検査条件・検収条件」をクリアすることが第一ですが、この時点での想定外のトラブル・改善点がみつかれば、それら条件以外の見直しが入るのが普通です。

フェーズ5:本番移行・量産

本番に移行すると、あちこち不具合が出てきます。
自動機なら、チョコ停とか稼働率が思ったように上がらないなど色々です。
原因の究明と対策を立案実行しないといけません。
取扱説明書も作成し、保守・保全マンへの説明もしないといけません。
不具合対応に応じて、随時改訂版も作成が必要です。
しばらくは、導入された現場に通うことが大事です。次回の改善案が結構浮かんできます。きつい意見も薬と思って耳を傾けることがだいじです。

量産品は、これから、型製作、試し打ち、量産試作、改造設計、評価とまだまだ続きますが、これらは割愛します。
色々と細かい問題が出てきます。根気よく潰すしかありません。

補足

私の場合はシーケンサも含めて、全て自分でやりますが、大体はメカ屋さん、電気屋さんは分業の会社が多いと思います。
しかし、装置の配線図などは一寸勉強すれば誰でも書けますし、シーケンサのプログラムも同様ですので、メカ屋さんもある程度の事は知っておいた方が良いと考えます。
少なくともシーケンサを使えることは、装置設計者には不可欠の素養だと考えます。


以上、ざっとですが、設計者がどんなことをやってるかは分かってもらえたのではないかと思います。
以上の記事は2DCADでの設計を想定しています。3DCADでの設計では部分的に違ってくることがありますが、大体の流れとしては同じと考えて良いでしょう。
次回からは、実際の具体的な設計例の説明に入っていきます。
(14 April 2004 作成)
(20 Aprir 2004 加筆/訂正)
(13 July 2005 加筆訂正)




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