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下記記事はDRAFTです。随時加筆訂正していきます。
執筆時からCADの機能も変わり、設計手法も変わりました。今記事を書くと、もう少し違ったやり方をすると思います。
質問・アドバイス等があれば連絡願います。
皆さんの参考になるように記事を充実させていきたいと思っています。

8.具体的な設計例:概略構想から詳細設計へ:検査部(2)

前回までで、「被駆動側」のメカの概略の設計が終わったことになります。
今回から、「駆動側」のメカであるカム機構の設計に入ります。

[具体的な検討・部品の配置(2)]

まずは基板テーブル前後移動の駆動メカを設計します。次いで接点板上下メカの設計をします。

「検査部.asm」を開き「前後軸カム」スケッチを表示にします。
次にカム軸周りの「レイアウトスケッチ」を作成します。
「レイアウトスケッチ」の作成平面は、「前後軸カム」スケッチのカム中心とします。(図1参照)
作った「レイアウトスケッチ」を図2に示します。

図1.レイアウトスケッチの作成平面位置
図1.レイアウトスケッチの作成平面位置
図2.カム軸周りのレイアウトスケッチ 図2.カム軸周りのレイアウトスケッチ
各部の寸法を決める計算等は説明を省略しますが、概略の計算は必要です。
その検討のためにもレイアウトスケッチで概略の寸法を決めておかないと軸受けも選定できないわけです。
先にざっくりとパーツを配置して、重量等を求めてから確認計算をするのも良いですが、やり直しをしたくなければ 概略の計算をしておいた方が良いでしょう。

余談になりますが、似たような装置がすでにあるなら、その寸法に倣うというのは案外確実な方法です。
その他のレイアウト寸法は例によって、ざっくりと「これくらい」の寸法で決めています。変更は自由なのですから、 ここでは大体の矛盾しない配置だけを心がけます。
さて、ここからは「カム軸組.asm」を「編集」で開いて作業をします。
まず「カム軸.par」を作ってベースパーツとして配置します。
図3.カム軸を作成(1)
図3.カム軸を作成
図4.カム軸を作成(2)
図4.カム軸を作成(1)
最初にカムが取り付けられる部分を(図3)、そして両側軸受け部(図4)を作ります。使用コマンドは「突き出し」です。

同様にして、下記部品を作っていきます。(図5,6)
「上下カム.par」
「前後カム.par」
「BRGホルダ.par」
「BRGホルダB.par」
「6000.par」(ベアリング)
「6202.par」(ベアリング)
「カラー.par」
図5.ベアリングを配置
図5.ベアリングを配置
図6.ベアリングホルダを配置
図6.ベアリングホルダを配置

この他にもキー、軸受け用ナット、座金等が必要ですが、構想検討には不要なので空のファイルだけ作っておきます。
カムの寸法を決める部分は説明を省略しますが、詳細は「カム機構の設計例とTips」をご覧下さい。
これで「カム軸組.asm」の作業は一旦終了です。

次に「基板テーブル駆動機構組.asm」を「編集」で開いて作業をします。
ここではカムに従動して動く「前後アーム.par」とそれに付属する部品を作ります。
トップアセンブリの「前後軸カム」スケッチで検討済みですから、このスケッチをそのまま包含すれば良いのですが、問題が一つあります。
トップアセンブリで作図したレイアウトスケッチは色々と寸法拘束が付いていますので、そのまま包含してパーツを作成すると、後にカムと 「カム拘束」を付けるときに思わぬ挙動を示すことがあります。(モデルが変形したりする)
ですので、包含してスケッチを作成したならば、リンクを切っておいた方がよいでしょう。
「レイアウトスケッチ」を使った部品配置は、動かない部品には有効ですが、動きのある部品については必要な部品を3Dでパーツ化した後は、 リンクを切っています。注1.参照
さて、アームの根元の軸受けをどうするかは、意外と悩むのではないでしょうか?
ミニチュア玉軸受けは軸受けを納める部分の寸法が大きくなりがちです、シェル型ニードルベアリングはその点コンパクトに出来るのですが、相手軸の焼き入れ硬度がそれなりに要求されますし、加工精度も必要です。
今回は金属シェル付き無給油ブッシュ(例:ミスミ型番LFZBなど)を使用しています。
これはH7程度の穴でよく、圧入後の内径もH10程度に納まります。
また相手軸も生材でよいので手軽に使えます。
この辺りの事は別掲記事をご覧下さい。
できあがった部品が図7です。
同様にして「接点板駆動機構組.asm」を「編集」で開いて、「上下アーム.par」とそれに付属する部品を作ります。
できあがった部品が図8です。
図7.基板テーブル駆動機構組.asm
図7.基板テーブル駆動機構組.asm
図8.接点板駆動機構組.asmを追加
図8.接点板駆動機構組.asmを追加
ここまで来るとほとんどの部品、サブアセンブリが配置されたことになります。
ここで開いているサブアセンブリは全て「終了して戻る」として、「検査部ユニット」のトップアセンブリである「検査部.asm」に戻ります。

さて、ここまでに出来た部品やサブアセンブリは、「一応、干渉しないことだけは確認されている」状態です。
また、部品の配置も厳密に決めている訳ではありません。
この後は機構的にも辻褄が合うように位置関係を決めながら、各部の連結部品を作っていきます。
例えば、各アームとカムとの隙間を一定値以上確保しつつ、カムフォロアとカムの当たりが外れない様にしなければいけません。(図9)
図9.アームとカム、カムフォロアの関係
図9.アームとカム、カムフォロアの関係
図10.上下アームとロッドエンドの関係
図10.上下アームとロッドエンドの関係

同様に、ロッドエンドと各連結ロッドも、なるべく両端が直線上に並ぶように配置が必要です。
この際は、カムとアーム位置はいじらないで、ロッドエンドを取り付ける連結板の寸法を、「編集」コマンドで変更します。(図10,図11)
図11.前後アームとロッドエンドの関係
図11.前後アームとロッドエンドの関係

後は、細かいことになりますが、ロッドエンドのねじ部の長さなどの制約がありますから、アームの一部の厚みを薄くして確実にねじが締まる様に変更します。
この様な細かい修正は、まだ配置を検討している今の段階では必ずしもしなくても良いのですが、この様にして少しずつ問題点を解決しながら細部の寸法や形状を決めていく例として示します。(図12)
図12.各アームを部分修正
図12.各アームを部分修正

この様にして全体の部品配置が矛盾無くできあがりました。(図13)
図13.各ユニットの連結部品を配置
図13.各ユニットの連結部品を配置

全体の部品を表示するとこうなります。(図14)
図14.全ての部品を表示
図14.全ての部品を表示
以上で概略の部品配置が完了しました。
しかし、まだこれで完成ではありません。
これらのメカが「大体、この様には配置できそうだ」と決まっただけに過ぎません。

とりあえず装置全体の状況を見てみましょう。(図15、図16)
図15.装置全体(斜視)
図15.装置全体(斜視)
図16.装置全体(上面)
図16.装置全体(上面)
どうやら、マガジン交換部とサブベース板が干渉しているようです。この辺りの修正が必要です。
またこの後、各レバーの戻しばねの配置もしないといけませんし、各センサーの配置も残っています。
また、カムを駆動するモーターの配置と、そこからの動力伝達機構も検討が必要です。
次回は、その辺も含めてさらに細かい部分の設計をしていきます。

(2 May 2004 作成)
(6 May 2004 加筆・訂正)


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注1.
私の基本的な「レイアウトスケッチ」の使い方は、

・サブアセンブリ間の配置には「レイアウトスケッチ」の寸法の変更で対応する。
・各サブアセンブリファイルの中での必要になるパーツ、サブアセンブリの検討やそれらの  配置の検討に「レイアウトスケッチ」を使い、配置完了後は必要に応じてリンクを切っておく。
・動きのある部品は、パーツの配置完了後リンクを切っておく。

の様に使い分けています。

拘束を掛けないで3Dパーツを配置し、3Dパーツ間の関係で位置関係などを検討してもよいのですが、パーツの位置が勝手に動いてしまって思わぬミスをすることがあるので、部品配置が決まるまでは「レイアウトスケッチ」で拘束しておいた方が、「今のところ」間違いが無く作業できる様に思う、と言うことです。
今後、もっと慣れてくればもう少し洗練された手法が見つかるかも知れませんが、次善の策でしょうか(苦笑)





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