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機械設計講座:機械設計者のための覚え書き
引張り、圧縮、剪断の応力、ひずみについて
(材料力学の基礎)
0. 概要
引張り、圧縮、剪断の応力、ひずみ
引張り、圧縮、剪断の応力、ひずみの関係について説明します。
最も基本的なことですが、材料力学を理解するには大事なことなのでしっかりと、用語とその概念を理解することが必要です。

初学者の場合は、そう言う言葉があると言う理解でも、十分かと思います。
他の記事でも時々、ここで説明する言葉が出てくると思いますので、分からないときは都度このページを見て下さい。
1.0 解説
1.応力(σ)の定義
断面積 A の部材に荷重 P の引っ張りまたは圧縮荷重がかかる時の応力(σ)
  .......(1)
と定義する。(図:1)
すなわち応力とは「単位面積当たりの荷重」と考えて良い。
[参考]
図:2を見ると分かるように、実際に部材が伸びると、その直径は d から d' に、断面積は A から A' に変化するので、応力もその分変化する。
変化前の応力を「公称応力」、変化後のそれを「真応力」と呼ぶ。


       図:1 応力と荷重


       図:2 荷重と伸び、歪み

2.ひずみεの定義

長さ l の部材が荷重によりλ伸びた時、ひずみε
  ........(2)

と定義する。(図:2)
すなわち歪みとは「単位長さ当たりの伸び」と考えて良い。

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3.ひずみと応力の関係

ヤング率(縦弾性係数)をEとすると
  ........(3)
となる。

上記の関係を変形すると
  ........(3')

と表せる。

*こちらの関係式の方が頻繁に使われる。

[参考]
主な金属材料のヤング率を示すと、

・鋼:207 [ GPa ] = 207 [ kN/mm2 ] = 21,000 [ kgf/mm2 ]
・アルミ:鋼の約1/3
  68 [ GPa ] = 68 [ kN/mm2 ] = 6,100 [ kgf/mm2 ]
・銅:鋼の約1/2
  103 [ GPa ] = 103 [ kN/mm2 ] = 10,500 [ kgf/mm2 ]

などである。

4.横ひずみε'の定義

図:2の様な丸棒を考える時、変形前の直径をd、変形後の直径をd'とすると、
横ひずみε'
  ........(4)
と定義する。
すなわち、横ひずみも「(横方向の)単位長さあたりの変形量」である。

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5.ポアソン比νの定義

ポアソン比νは、
  ........(5)
と定義する。

すなわちポアソン比とは「横歪みと縦歪みの比」のことである。
6.剪断応力τの関係
横弾性係数をGとし、剪断ひずみ角をγとすると、
剪断応力τは、
  ........(6)
と表せられる。
図3: 剪断歪み
      図:3 剪断歪み
[参考]
(縦)歪みと横歪みに対し、剪断歪みは次の様に表せられる。
Δs / l

*何故ならΔsは長さ l に比例するのだから、他の歪みと同様に単位長さ当たりの変形量として表すべきだから。
ここで、図3からも分かるように、Δs = l ・tanγであるから、
Δs / l = l ・tanγ / l = tanγ≒γ
結局、剪断歪みは剪断角γに等しいことが分かる。
故に、(6)式が成り立つ。
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7.横弾性係数Gと縦弾性係数Eの関係
  ........(7)
と表せられる。


[例題] .

   図: 例題
図のように断面積A1の部材1に荷重Pが加わっている。部材1は断面積A2のピン2によって固定されているものとする。
P = 9,800 [N] (= 1,000 [kgf])、A1 = 314 mm2、A2 = 60 mm2とするとき、部材1の引張り応力およびピン2の剪断応力を求めよ。
また、部材1の長さが 1,000mm 、ヤング率 E = 207kN / mm2であるとき、伸びはいくらになるか?
[解答]

(1)式より、部材1の引張り応力は
σ= 9,800 / 314 = 31.2 [N / mm2]
次にピン2の剪断応力を求めるわけであるが、剪断面は部材1の両側に2面あるので、剪断面積はA2×2であることから、
σ= 9,800 / (60×2) = 81.7 [N / mm2]
と求まる。
仮に両部品が軟鋼製であり、許容引張り応力 90 [N/mm2]、許容剪断応力 72 [N/mm2] とすると、部材1は安全であるが、ピン2は許容応力を越えているため破断の危険性があることがわかる。

部材1の伸びは、式(3')より、
λ= l ・σ/E = 1,000×31.2 / 207,000 = 0.15 [mm]
と求まる。

参考として、部材1の直径を D = 20mm、ポアソン比を 0.3 としたとき、
縦歪みεは、
ε= λ / l = 0.15 / 1,000 = 0.15 ×10-3
横歪みε'は、
ε'= ε・ν = 0.15 ×10-3 × 0.3 = 0.45 ×10-4
変化後の直径は、
d'= d - ε'・d = 20 ×(1 - 0.45 ×10-4) = 19.9991 [mm]
と求まる。
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(01, Feb 2013)初出
(21, Feb 2013)記事追加

参考
文献
理工学社刊 「JISにもとづく機械設計製図便覧」 大西 清(著)
日経BP社刊
「日経メカニカル」No.547
「再入門・材料力学」 沢 俊行(著)
コロナ社刊 「改訂 材料力学要論」 S・ティモシェンコ
D・H・ヤング(著)
前澤成一郎(訳)

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