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機械設計講座:機械設計者のための覚え書き
軸のねじり・同時に曲げモーメントを受ける場合
(材料力学の基礎)
0. 概要
軸がねじりモーメントと曲げモーメントを同時に受ける場合
軸のねじりの続きです。今回はねじりと同時に曲げモーメントも受ける場合について説明します。

ごちゃごちゃと色々な式が並んでいますが、以下の説明は全て理解する必要はありません。

軸の設計が必要な場合は、ねじりモーメント(トルク)と曲げモーメントを求め以下の説明(5)または(6)式に数値を当てはめれば計算ができます。

ですから、それぞれの式の導出の手順の概略をざっと見ておいてもらえば結構です。
1.0 解説
1.ねじりと曲げモーメントを同時に受ける軸

 ベルト車のような軸は、ねじりと同時に曲げモーメントも受ける
このような軸には、2つのモーメントの合成応力が生じる。

当然、軸径の計算に当たってはこの合成応力から求めるのが自然だが、実際にはどちらかのモーメントだけを受けたと仮定して計算することが出来る。

例えば、「別の記事」で説明したように単純なねじりだけを受けたと仮定して計算し、軸径を決める事ができ、このときに使用するねじりモーメントを
相当ねじりモーメントという。

逆に、曲げだけを受けたと仮定して軸径を求める場合の曲げモーメントを
相当曲げモーメントという。

それでは、それぞれのモーメントはどの様な値になるのであろうか?
説明は省略するが、
:相当ねじりモーメント、 :相当曲げモーメント、 :ねじりモーメント、 :曲げモーメントとすると

・相当曲げモーメント
 --------(1)
・相当ねじりモーメント
 --------(2)
となる。

(1)式より、相当曲げモーメントによる曲げ応力
-----(3)
となる。尚、式中の Z は断面係数である。

次に(2)式より相当ねじりモーメントによる最大剪断応力をとすると、
「別記事」の説明(6)式より

と表せるので結局、
 --------(4)
となる。

軸径の決定に(3)(4)のどちらの値を採用するかは、材料の特性により判断する。
すなわち鋳鉄材の様な脆性材料の場合は曲げ応力から、圧延鋼材の様な延性材料には最大剪断力から軸径を求めた方がよい

さて、断面が円形で使用剪断応力がの軸(延性材料)の場合、軸径は、(4)式より
 --------(5)
で求められる。


同様に断面が円形で許容曲げ応力の軸(脆性材料)の場合の軸径は、断面係数 はであるから、(3)式より
 --------(6)
で求められる。

[例題] .
図に示すように、AおよびBの軸受けで支えられた軸がある。

Dにある駆動プーリにより動力が加えられ、Bの従動プーリにより動力を伝達する。

駆動プーリには100HP(≒74kW)が加わり500rpmで回転しているものとする。

P1=2・P2、Q1=2・Q2、Rd=150mm、Rc=200mm、l=1,200mm、a=300mmの条件が与えられたとき、
   図:曲げとねじりを共に受ける軸  
      図:曲げとねじりを共に受ける軸  
軸の許容剪断応力 = 48 [ N / mm2] ( = 4.8 × 107 [ N / m2] ) とすれば必要な軸径はいくらになるか求めよ。

[解答]

500rpmで回転しながら100HP(≒74kW)を発生するトルクは角速度をとすると、

と求まる。[参考記事]

次に、だから、与えられた条件よりとなり、

同様に、だから、

が求まる。

さて、図を見て分かるように、横方向荷重によって発生する軸の曲げモーメントは、
X-Y平面とX-Z平面の両方の曲げモーメント
を考慮する必要がある。
これらのモーメント線図は図の下にあるようなものとなる。
すなわち、BかCの位置で最大曲げモーメントが発生する事が分かる。

それではまずBにおける曲げモーメントを求めることにする。

となる。
次にCにおける曲げモーメントを求める訳であるが、X-Y平面の曲げモーメントとX-Z平面のの2つの合成曲げモーメントとしてのを求めなければならない。

まずであるが、

ここでを2で割っているのは、軸受けA,B2点で支持し、しかも等距離に有るため軸受け1個の反力は丁度半分になるため。はモーメントの腕の長さである。

次には、

となる。
合成モーメントは2つのモーメントのベクトルとしての和なので、

を比較するとが大きく、BとCの両方においては同じ値であるから、Bについて軸強度の計算をすればよいことが分かる。
解説の(5)式に上記計算で求めた値を代入すると軸径は、

と求まる。

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(22, Feb 2013)初出
(06, Mar 2013)例題、補足説明追加及び誤記訂正

参考
文献
理工学社刊 「JISにもとづく機械設計製図便覧」 大西 清(著)
コロナ社刊 「改訂 材料力学要論」 S・ティモシェンコ
D・H・ヤング(著)
前澤成一郎(訳)
日刊工業新聞社刊 「機械要素の設計基準」 宋 孝(著)

copyright(c) 2011-  orbit limited.

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